冬前に出会った、オレンジ色のてんとう虫
別に虫が特別大好きというわけでもなく、なんなら苦手なことが多い。ただ、てんとう虫は美しいなと思う。誰かが、「自然は長い歴史の答えである」と言っていたことがあり、そんな言葉を思い出しながら、芝生に座り、…
別に虫が特別大好きというわけでもなく、なんなら苦手なことが多い。ただ、てんとう虫は美しいなと思う。誰かが、「自然は長い歴史の答えである」と言っていたことがあり、そんな言葉を思い出しながら、芝生に座り、…
生きていると、どうにもならないこと、というのがある。そして、大人になるということは、どうにもならないことの経験を重ね、自分なりの向き合い方や折り合いのつけ方を学んでいく、ということでもある。 どうにも…
深夜に目が覚めた。毎晩のことで、いつも何度か目が覚める。それでも昔と比べたらずいぶんと眠りはよくなった。薬ももう飲んでいない。目が覚め、おぼろげな意識のなかで、ベッドの横に置いてあった読みかけの漫画を…
久しぶりに会った親が、実家に残っていた、僕が子供の頃に集めていたカードゲームなど懐かしいおもちゃの類を袋に入れて持ってきた。 袋には、カードゲームの他に、僕の名前が子供っぽくたどたどしい筆跡で書いてあ…
音楽に興味を持つようになってまもなくの中学生の頃、ときおり母親の車のなかでスピッツの曲が流れていた。 母親が好きなミュージシャン、ということが、僕がスピッツを初めて意識したきっかけだ。とは言っても、も…
幼稚園や小学生など子供の頃、男子は足が速いとモテる、といった謎の現象があった。 あれは一体なんだったのだろう、と大人になっても不思議に思う。自分の記憶を辿ってみても、確かに、幼稚園の頃は足が速い男子が…
詩人の映画『パターソン』 詩人のヴィスワヴァ・シンボルスカが、詩人というのはなかなか映画などの主人公にはならない、といったような話を、ノーベル文学賞の記念講演のスピーチで語っていたことがあった。 シン…
中原中也は、今からちょうど100年ほど前の日本を生きた詩人で、30歳という若さで亡くなっている。もともと好きな詩人の一人で、彼の人生を本などで読むと、早くに死んだ、というよりも、中也の人生を最後まで生…