逃げる夢はときどき見るものの、今朝は本当に長く逃げ続けて、夢から覚めても疲れが残っているくらいだった。
夢の中身としては、昔通っていた大学で何かの試験があり、その試験を受けるために手続きが必要だった。学生証を持って事務室みたいなところに僕が並んでいたら、スタッフの人たちに、あなたは前回ひどい態度を取ったからブラックリストに入っていて使えない、と言われた。全然身に覚えがなく、そんなわけがないと何度言っても、向こうは一向に認めてくれず、だったら具体的に何をしたのか教えてくれ、と言っても、その内容自体は思い出せないと言う。
僕は納得がいかず、ずっと粘っていたら、だんだんと、僕はもう学校を卒業していて、学生証を使うこともこれ以降はないんだということに気づき、だったらもういいやと思って諦めた。ところがその瞬間、向こうが、僕が前回忘れていったらしい黒いトートバッグを出してきた。そのバッグには、僕がこれまでずっと書いてきた文章がたくさん入っていた。そして、この文章を陰で笑っていたんじゃないかと思った僕は、やっぱり許せなくなり、この件を問い詰めたのだが、誰もまともに答えようとはしてくれなかった。なかでも一番偉い人は話が通じそうだったので、ことの経緯を説明したが、途中から話を聞こうとせず、廊下を歩いて行こうとしたから、なおも呼びとめたら、近くの消火器で突然僕を殴り殺そうとしてきた。近くにいたもう一人と、二人が揃って、僕を殺して、この話ごと消そうとしているのだと思った。
このままでは危ないと思って、僕は必死に逃げ出したが、彼らも追いかけてきた。僕はキャンパス内を逃げ回り、逃げながら警察に電話をしようとした。でも、夢のなかではいつもそうであるように、なかなか110番が押せなかった。何度押しても、なぜか連打してしまって2や3になる。間違い電話で、昔バイトが一緒だった人にかけてしまったこともあり、慌てて弁解した。その間も、必死に逃げ続けた。怖かった。気づいたら走りづらいブーツを履いていたので、それも脱いで靴下になり、校舎のなかに逃げ込んだ。入り組んだ、暗く階段の多い校舎だった。これなら同じ道を追ってくるのは難しいだろうと思っていたものの、相手は道を間違えることなく正確に追い続けてきた。
目が覚めたのは、校舎から別の校舎へと逃げる最中だった。頭が痛い。でもなんとか逃げ続けることはできたようだった。