唱歌『おきやがりこぼし』の歌詞
文部省唱歌の尋常小学校一年生用に掲載されている『おきやがりこぼし』は、福島県会津に古くから伝わる郷土玩具の起き上がり小法師を歌った作者不明の唱歌です。
起き上がり小法師は、何度倒しても起き上がる事から「七転八起」の精神を含み、縁起物としては、「無病息災」や「家内安全」などを願ったものでもあります。
おきあがりこぼしの仕組みとしては、おもりが中にあり、重力によって高い位置から低い位置に移動しようとする性質から、自然と起き上がることができる、という風になっています。
現代でも、様々な可愛いおきあがりこぼしがあり、たとえばスタジオジブリの人気キャラクターであるトトロのおきあがりこぼしもあるようです。
動画 : となりのトトロ みんなでゆらゆら~おきあがりこぼし~
ゆらゆら揺れても、倒れても、自然と元に戻っていく、ということが、どこかメッセージ性もある起き上がり小法師。文部省唱歌の『おきやがりこぼし』も、歌詞のなかでこのおもちゃの特性を歌っています。
歌詞
おきやがりこぼし
投り出されて
ころころ転び
からだゆすって
むっくと起きて
あちらを向いて
黙ってすわる
おきゃがりこぼしは
おもしろい
幾度投げても
何時でも起きる
からだゆすって
むっくと起きて
こちらを向いて
人をばにらむ
おきゃがりこぼしは
おかしいな
動画 : おきやがりこぼし 尋常小学唱歌 「第一学年用」
その他
おきあがりこぼしが、放り出されても、ころがっても、むくっと起きて黙って座る、その様子が面白い、と歌う1番の歌詞。
続く2番でも、何度投げても、いつでも起き上がる、という様子がおかしいな、と歌われます。
子供心に、何度転がっても何もなかったかのように自然にすっと起き上がる様子がとても面白いものだったのでしょう。
また、七転び八起きという意味合いも込められていることから、この歌を唱歌にした理由として教育的な側面や願いもあったのかもしれません。