キジバトのときにも書いたように、花の名前を調べるのも難しいが、鳥の名前もまたいっそう難しい。
野鳥の名前を調べようと思ったら、野鳥の図鑑を見るか、鳥名人に訪ねるか、ネットでキーワードを入れて検索することになる。ただ、鳴き声を言語化して検索するのもなかなか大変だし、見た目の特徴を把握しようにも、近くで見られる機会が少ない場合もある。だから、あの鳥はなんて鳥だろうと思っても、名前が分からないまま放置されている、ということも多々ある。
近所には、野鳥も多く、たとえば、胴体は黒っぽい褐色、顔の周りや腰の辺りが白く、オレンジのくちばしに、オレンジの足が特徴の小さな鳥がいる。
よく見るはずなのに、名前を知らない鳥の一種だった。
調べると、このオレンジのくちばしと足の鳥は、「ムクドリ」で、九州以北から繁殖し、北海道では夏鳥として生息している。冬には南に移動することもある。
住宅街の公園や、駅前のロータリーにも棲みつき、繁殖が終わると群になるので、ムクドリの大群による糞害や騒音などで嫌われることも多い鳥だ。僕が以前住んでいた街でも、駅前でムクドリが大量発生し、空を巨大な影が覆うように飛び、物凄い鳴き声だった。
ああ、これがムクドリか、と改めて認識した。ムクドリという名前自体は聞いたことがあったし、ムクドリの大群は見たことがあったものの、一羽で見たときに名前と外観が一致していなかった。
それでは、ムクドリは「害鳥」なのかと言うと、むしろ日本では昔は「益鳥」として非常にありがたい存在だったようだ。ムクドリの餌は虫で、農家の人たちにとって農作物につく虫を食べてくれるムクドリに感謝していたと言う。
ムクドリと人間との関係性や、なぜムクドリが害鳥として扱われるようになったのか、といったことは、生き物や自然に関するブログの「騒音、糞害。ムクドリは悪い害鳥なの?ムクドリの本当の姿と人との関係」という記事が参考になった。
近所を散歩していると、ひょこひょことムクドリが餌を探しているのを見掛けることがある。公園でも、ときおりムクドリたちがどこかから降り立っては、餌を探すように雑草のなかを歩いている、とても身近な鳥の一種である。