自然

レイチェル・カーソン『センス オブ ワンダー』

レイチェル・カーソン『センス オブ ワンダー』

本の紹介

レイチェル・カーソンは、1960年代に環境問題を告発したアメリカの生物学者で、農薬や化学物質の危険性を取り上げた代表作の『沈黙の春』は、わずか半年で50万部を売り上げ、世界的に影響を与える一冊になります。この本の発表によって、レイチェル・カーソンは業界団体から激しいバッシングを受けますが、彼女の言葉は環境保護運動の大きな起点となり、没後、1980年には、当時のアメリカ大統領から大統領自由勲章を授与されます。レイチェル・カーソンの本としては、『沈黙の春』が有名ですが、この記事では、死後に出版された『センス オブ ワンダー』に綴られた名言を紹介したいと思います。

この本は、レイチェル・カーソンの遺作として彼女の友人たちによって出版されました。彼女は、毎年夏の数ヶ月を、姪の息子である幼いロジャーと一緒にメーン州の美しい海岸や森で過ごし、星空や鳥の鳴き声、風の音に耳を澄ませます。そして、そのときの情景や、ロジャーの反応を詩的に綴った短いエッセイが、『センス オブ ワンダー』です。本のタイトルにあるセンス オブ ワンダーとは、「自然の神秘さや不思議さに目を見張る感性」を意味します。レイチェル・カーソンは、この感性こそが、子どもたちにとっても、そして大人にとっても尊い心のよすがになると考えました。

本の名言

もしもわたしが、すべての子どもの成長を見守る善良な妖精に話しかける力をもっているとしたら、世界中の子どもに、生涯消えることのない「センス・オブ・ワンダー = 神秘さや不思議さに目を見はる感性」を授けてほしいとたのむでしょう。

子どもたちの世界は、いつも生き生きとして新鮮で美しく、驚きと感激にみちあふれています。残念なことに、わたしたちの多くは大人になるまえに澄みきった洞察力や、美しいもの、畏敬すべきものへの直感力を鈍らせ、あるときはまったく失ってしまいます。

自然のいちばん繊細な手仕事は、小さなもののなかに見られます。雪の結晶のひとひらを虫めがねでのぞいたことのある人なら、だれでも知っているでしょう。

地球の美しさと神秘を感じとれる人は、科学的であろうとなかろうと、人生に飽きて疲れたり、孤独にさいなまれることはけっしてないでしょう。