SEKAI NO OWARI(セカオワ)「Mr.Heartache」 歌詞の意味と解釈
公開からしばらくのあいだ音源化されなかったものの、2019年リリースのアルバム『Lip』に収録されたSEKAI NO OWARIの「Mr.Heartache」。
全編英語詞で、タイトルは翻訳すると、直訳で「心の痛みさん」といった意味になります(MVには日本語訳も表示され、そこでは「ハートエイク」と呼ばれています)。
この曲は、失恋や孤独だけでなく人生のなかで生じる様々な「心の痛み」そのものが歌われ、その痛みに寄り添うある種の応援ソングのような一曲と言えるでしょう。
そんな「Mr.Heartache」について、歌詞の意味や解釈を交えて紹介していきたいと思います。
友達の「ハートエイク」とは
曲の冒頭から、主人公は「心の痛みさん」に対し、親しげに話しかけます。まるで旧友に再開したかのように、「また会ったね」と。
そう、この曲の歌詞は、「ハートエイク」という心の痛みを擬人化したような存在と会話する形式で綴られています。
Hello my friend, Mr. Heartache.
How many times have we met?
How are you now?
It’s been a while
Since I saw you last.SEKAI NO OWARI「Mr.Heartache」
やあ、友よ——と、完全に「心の痛み」は友達です。元気かい? もう何度会っただろう、といった懐かしさすら覚えるような語りかけが続きます。
この曲で特徴的なのは、こんな風に、心の痛みを敵ではなく、友達として捉えている点です。
普通は、「心の痛み」なんて来てほしくない存在、追い出したい敵で、歓迎などするはずがありません。
応援ソングというなら、その「敵」を倒すことを応援する、というのがセオリーのはず。
しかし、さらに歌詞が進むと、「君が必要なんだ」とさえ語りかけます。
You were always right by my side.
You helped me grow up.
Now I need you just like before
How can I pick Myself up?SEKAI NO OWARI「Mr.Heartache」
心の痛みが、自分を成長させてくれた、というだけにとどまらず、「君が必要だ」と語り、「僕はどうしたらいい?」ということまでも、「心の痛みさん」に尋ねる。
ここに、セカオワの歌詞の独特の世界観が表れています。
敵ではなく友達だ、という世界観
僕たちは通常、痛みを敵だと考えがちです。しかし、たとえば、風邪を引いたときに出る熱は、敵ではなく体が回復に向かおうとしている反応であり、それ自体はむしろ味方と言える。
腹痛や嘔吐も、一見苦しいものですが、これも体から悪いものを排出しようとする防御反応です。
つまり症状というものが、ここでは、回復も兼ねている、ということになります。
同じように、「心の痛みさん」も、それ自体が心の痛みでありながら、痛みを乗り越える力を与えてくれる存在でもある、という二重構造になっています。
歌詞の構成はシンプルでありながら、この曲で語られている内容は、単純な敵・味方の二元論を越えた、とても奥深い真理のように感じられます。
明るい曲調や擬人化、そして英語という表現が膜となることによって、直接的に言われるよりもずっと「Mr.Heartache」は深く心に届いてきます。
