老楽師の正体はジャンか【ドラクエ7リイマジンド】
ドラクエ7で、過去のハーメリア地方に行った際、「老楽師」と呼ばれるトゥーラ弾きのおじいさんが出てくる。
老楽師は、一見敵かとも思わせるような不思議な現れ方をするものの、すぐ、頼りになる味方だと判明する。村の人々を救い、このステージのボスであるグラコスとの戦いにも加わってくれる頼り甲斐のあるおじいさん。
心に影を抱えながら旅を続け、音楽に宿る力で苦しむ人々を助けていく、そんな生き方をしていて、個人的に、こういうおじいさんになりたいと思わせるような、静かなかっこいい人物だ。
本人や村人の言葉をたどっていくと、この名前の分からない老楽師の正体が、どうしても気になってくる。
かつてはユバールの民であったが、ある過ちのために一族を離れたトゥーラ弾き(胸にあざがあったということも後々村人の証言で分かる)。匂わせぶりが半端ない。どう考えても、ジャンではないかと思う。
ジャンは過去の時代に登場するユバールの民のトゥーラ弾きで、踊り手のライラに深く惹かれ、婚約関係を結んでいた。しかし胸に特殊なあざが現れ、ユバールの民の掟「あざのある者同士は結婚できない」に抵触することが判明する。
それでも熱い恋心を抱えていたジャンは、そのことを黙っていた。しかし、やがて一族を欺いたとして民を去っていくことになる。
ハーメリアの老楽師は、そのジャンが歳を重ねた「その後」の姿なのではないかと思う。ドラクエ7の過去の世界は、地方ごとに「何年前の話か」が異なっているのかもしれない。
若いジャンたちもいた、あのユバールの民の大陸は、現在軸の世界で行ったとき、確か民の一人が昔話として「数百年前」と言っていたように記憶する。その「数百年」が、具体的にどれくらい昔かは分からないけど、だいたい二、三百年ほどなのかもしれない。
そして、ハーメリア地方における「過去」は、同じ過去世界でも、あのジャンたちの時代から数十年後ということなのかな、と。
その数十年後のジャンが、老楽師なのだろう(僕は聞けなかったのだけど、グラコスを倒したのち、アボンの村の人に聞くと、「ジャン」と名乗っていたということのようなのでまず間違いないと思う)。
主人公たちは老楽師に出会い、言葉を交わすものの、お互いに気づきそうで気づかない。老楽師としても、遠い昔のことは記憶の底で薄まってしまっているのかもしれない。
結局、明言されないまま、すれ違っていく。
もしここで「君はジャンだろ」「確かに、おおそれでは君は──!」と判明したらどうなっていただろう。でも、謎のまま微妙にすれ違い別れていく。これはこれで余韻の漂う綺麗なシナリオだと思う。