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マキバオーの続編とその後

今は、マキバオーの続編と言っていいのか、新しいマキバオーと言うべきなのか、従来のマキバオーの新作である『たいようのマキバオー』という漫画を読んでいる。もともとが『みどりのマキバオー』で、新作が『たいようのマキバオー』だ。新作、と言うほど新しくもなく、始まったのはもう10年以上前になる。でも、僕にとっては、新作の方、という認識がある。

子供の頃からマキバオーが好きで、最初の1、2巻こそ、あの見た目通りのちょっとギャグマンガ的な要素があったものの、3巻以降は、ガチのスポーツ漫画みたいになり、普通に感動する。最終巻が単行本で16巻という、その長さもちょうどいい。子供ながらに号泣していた。その『みどりのマキバオー』の続編というような形で、マキバオーたちの活躍した時代のその後の世界が描かれているのが、この『たいようのマキバオー』だ。設定は、マキバオーの活躍から10年後。『みどりのマキバオー』の主人公だった白毛の小さな馬のミドリマキバオーに姿形がそっくりで、マキバオーの血を継いだ、ヒノデマキバオーが主人公だ(愛称は、柑橘類の文旦が好きなことから「文太」と呼ばれている)。

ミドリマキバオー自身の子ではなく、マキバオーの妹のマキバコの子で、マキバコ産駒は全然活躍せず、ヒノデマキバオーも高知の地方競馬で、ダートが主戦場となっている。そのマキバオーに似た風貌から人気はあるものの、地方で細々と走り、寂れて経営的に危ない高知競馬のなかで客寄せパンダ的に扱われる存在だった。しかし、そのマキバオーが、本気で走りたいという思いに駆られ、より高みを目指すようになる、というのが漫画のざっくりしたあらすじだ。

カスケードや勘助、飯富おぶさんといった、『みどりのマキバオー』に出てくる懐かしい面々は、ちょいちょい出てくることもあり、続編と言えば続編と言えるかもしれない。『みどりのマキバオー』のときは、いわゆるエリート同士の戦いに近く、負けるときも接戦などといったことが多かったものの、この続編の方は、もっと泥臭い。負けるときはあっさり惨敗もあり、地方競馬の苦しさみたいなものも描かれているので、もともとのマキバオーとはまた違った面白さがある。

正直、マキバオーは、あのマキバオーで自分のなかでは完結していたから、続編やその後と言われても、あまり興味が湧かなかった。だから、連載開始以降も全く読んでこなかった。ただ、久しぶりに色々と漫画でも読んでみようかなというときに、なんとなく食わず嫌いで避けてきた『たいようのマキバオー』に手を伸ばしてみることにした。そして、読んでみての感想としては、普通に面白い。絶妙にマキバオーの世界を踏襲しながら、ちゃんと独立した新しい世界になっているから、変な苛立ちや不満もない。それから、マキバオーの魅力の一つはファンタジー感にあるなと、この続編を読みながら、改めて思った。馬と人間が、普通に喋っているし、馬と人間だけでなく、ネズミのチュウ兵衛親分だったり、土佐犬の雷電らいでんだったり、人間と動物が、何の違和感もなく話している。その世界観が、自分にとってはすごく心地いい。

この『たいようのマキバオー』は、全巻が1〜16巻までと、加えて、『たいようのマキバオーW』という名前の方もあり、こちらは全20巻となっている。読む前は、どういう分け方なんだろうと思っていたが、別に16巻の方で第1章が終わり、Wが第2章、といったことではなかった。たいようのマキバオーと、たいようのマキバオーWには違いはなく、話はそのまま続いている。これは連載がプレイボーイの紙面からウェブに移ったということで、ただ区切りになっているだけみたいだ。途中まで読み、本家のマキバオーが全然出てこないから、種牡馬になっているのか、もう死んでしまっているのか、どうなってるんだろうと思ったら、ミドリマキバオーのその後の描写も飯富さんの話のなかで出てきた。世界放浪説やら死亡説やらと色々とあったなかで、実はマキバオーは、引退せずにあくまで現役にこだわり、ドバイで細々とレースを走り、それからドバイで現役競走馬兼トレーナーとなって数々の教え子を輩出し、その後、モンゴルで静かに暮らしている、という説明を飯富さんがしていた。だいぶ現実離れした競走馬の“引退後”の生活だが、それがまたファンタジーっぽさだなぁ、と思う(さらに読み進んでいったら、ミドリマキバオーも普通に登場し、重要なキャラクターとして描かれるようになる)。

僕のように、子供の頃に読んだ『みどりのマキバオー』が好きで、続編と言われると逆に躊躇してしまう、という人もいるかもしれないが、実際に読んでみると、また違った面白さがある(地方競馬が舞台ということもあり、子供向けではない面白さかもしれない)ので、もし何か読みたい漫画を探しているようなら、この『たいようのマキバオー』もおすすめだと思う。