先日から、Switch版のドラクエ3を始めた。順調に進んでいったものの、ピラミッドで、しばし止まった。そもそも、敵が強い。ピラミッド内では、戦闘時に魔法が使えないという縛りに加え、宝箱がひとくいばこだらけという罠もある。
個人的には、ひとくいばこは、一度引っかかると、意地でも全部の宝箱を確かめたくなる。でも、次々宝箱を開けては、ことごとく、ひとくいばこだ。
この「宝箱はときにひとくいばこで、そのひとくばいこが、物凄く強い」というドラクエの仕掛けは、きっといい寓話的教訓になっていたのではないか、と思う。甘い話には罠がある。慎重になったほうがいい。
そんな風に、ひとくいばこにやられながら、また落とし穴にも落ちながら、ついに重要な「扉」らしき前に立った。
しかし、その扉がなぜか開かない。どこにも扉を開けるスイッチらしきものもなく、うろうろと周囲を歩き回った。歩きながら、そう言えば、あの城の子供たちの踊っているときの歌が、ピラミッドの扉にとってのヒントになる、といった話を言っていたことを思い出し、いったん城に戻り、城内の子供の話を聞いた。
子供たちは、こんな歌を歌っていた。
まんまるボタンはおひさまボタン。
ちいさなボタンでとびらがひらく。
東の東から西の西。
暗号のような歌詞だ。どこかに「ボタン」があるのか。東の東から、西の西。もう一度、ピラミッドの扉の階まで行き、ぐるぐると回りながら、ボタンらしきものを探した。
そして、その階の下のほうに、意味深な行き止まりを見つけた。その行き止まりに行くと、小さなボタンを押すかどうか尋ねられ、ひとまず押したら、落とし穴が開いて落ちてしまった。
なるほど、「順番」が大事なのだ。
ボタンは全部で4つあるから、歌にあった「東の東から西の西」をヒントにすると、右から順に押していけばいいのかもしれない、と思いながら、再度同じ場所に行ったら、2つ目でまた落とし穴に落ちた。
考え直す。これが間違いということは、「東の東」が一番右で、「西の西」が、一番左か。
改めて、「一番右」と、「一番左」のボタンを順番に押したら、扉の開く音が聞こえてきた。
それにしても、ピラミッドの「開かない扉」は、なかなか難しいトリックだった。当時の小学生たちは、これを攻略本なしでやっていたのだろうか。それとも、クラスの友人たちと、ピラミッドの扉が開かないんだけどどうやった、などと話し合っていたのだろうか。低学年だったら、だいぶ難しいように思う。
今はゲームで分からない箇所に遭遇したら、親のスマホやパソコンを借り、ネットで検索して攻略ページに辿り着くのかもしれない。
僕が子供の頃は、スマホもパソコンもない時代だった。ネットも、少なくとも自分の家にはなかったし、一般的でもなかった。となると、最悪、攻略本しかない。でも、ネット通販もないし、お金もないから、親と一緒に行った本屋でたまたま置いてあったゲームの攻略本を、物欲しそうに眺めていた。