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チョッパーとヒルルク、ニコ・ロビンの過去で泣いた(ワンピース)

バスケ漫画の『あひるの空』を読み直した、と先日書いた。もう10年以上前に、体調面や私生活で余裕がなくなり、漫画自体ほとんど読まなくなったので、今改めて読み直している。同じように、『ワンピース』も途中で挫折していた。だから、今少しずつ、読んでいた部分も読み返しながら、その先を読み進めている。ワンピースも、10年以上ぶりなので、内容を結構忘れていた。ワンピースは空島の前辺りで止まっていた。だいぶ忘れていたこともあり、最初、いったん10巻くらいまで戻り、読み返しながら思い出しつつ、新しい部分を読み進めていっている。ワンピースの連載が始まったのが1997年。僕が中学生くらいの頃のことだ。ジャンプを読みながら、海賊が主人公の漫画って変わっているな、という程度の印象で、まさかこれほど大作になり、自分がおじさんになった今も続いているとは思わなかった。

前に読んでいたときも、また、今回読み返しているときも、同じ場所で泣いたな、というシーンは、チョッパーが仲間になる場面だった。若い頃に読んだときも泣いたし、年齢を重ねた今も、変わらず胸に響く。チョッパーの名付け親であるDr.ヒルルクの桜のエピソードもいいし、チョッパーの素直になれない性格を、自分と重ね合わせてしまっているからか、その上でのルフィの「うるせぇ、いこう!」と叫ぶシーンが、相変わらず好きだった。チョッパーが仲間になる話は、単行本だと15〜17巻。チョッパー編だけでも、じゅうぶん一つの物語として完成しているから、ワンピースを読んだことがない人も、チョッパー編だけでも楽しめると思う。

それから、これまで読んだことがなかった新しい部分で言うと、ニコ・ロビンの過去の場面もよかった。単行本で言うと、ロビンの過去が描かれるのは、41巻(アニメだと、275話〜278話)になる。ニコ・ロビンが自らを犠牲にすることで囚われの身となり、彼女を助けるために、主人公のルフィたちが、司法の島エヌエス・ロビーに突撃する。

偉大なる航路前半に位置する世界政府の直轄地。”司法の島”と呼ばれ、世界政府が直轄する裁判所が設置されている。

島の中央部を囲む海に巨大な穴が空いており、そこに海水が流れ込むことで滝を作り出している。穴の底は見えず、それゆえ島はまるで浮いているようにも見える。

1年中夜にならない「不夜島」としても有名であり、別名「昼島」とも呼ばれている。

創設以来800年間1度も侵入者も脱走者もいなかった鉄壁の施設で、ここに連行された者は名ばかりの裁判を経て海底監獄インペルダウンか海軍本部へ連行される。つまり、ここに連れて来られた事が決まった時点で犯罪者の烙印を押されてしまうのである。

エニエス・ロビー(ワンピース)

でも、せっかく助けにきたルフィらに、ロビンは、助けてくれとは頼んでいない、私はもう死にたいんだ、と叫ぶ。ロビンは、自分の存在を厭わしく思い、死んだほうがいい存在であると思っている。でも、その背後にある事情をよく知らないルフィは、自分たちはもう助けに来たのだから、とにかく助けるんだ、と言い張る。とにかく今は助ける。その上で、俺たちのそばで死にたいと言え。助けた上で、それでも死にたかったら、そのときに死ね、と返す。死にたいという気持ちを否定するわけではなく、そんなに遠くで言うな、俺たちのそばで言え、というのが、ルフィなりの不器用で真っ直ぐな優しさなのだと思う。その後、「バスターコール」という言葉が、相手側の口から零れる。

バスターコールは、ニコ・ロビンの故郷であるオハラを消し去った力であり、その言葉に、ロビンはトラウマが蘇り、怯え出す。そして、そのバスターコールと、故郷のオハラ、それからロビンの幼少期の様子が回想のようにして描かれる。この過去のシーンや背景については、もっとちゃんとまとまっている記事があると思う。一度読んだきりなので、うろ覚えながら書くと、ニコ・ロビンは、まだ8歳という若さで考古学者として認定される。このオハラという島は、世界中の考古学者が集まってくる島として知られていた。

かつて西の海(ウエストブルー)にあった島で、麦わらの一味の考古学者ニコ・ロビンの故郷である。

島の中央に全知の樹と呼ばれる巨大な木があり、その中に世界中の資料が集められた図書館があった。この図書館を目当てに世界中から多くの考古学者が島に集結し、島の考古学者クローバー博士を中心に日々歴史の研究を行っていた。

その研究の中には、世界政府により調査が禁じられている「空白の100年」の歴史や「歴史の本文(ポーネグリフ)」に関する研究も含まれており、学者達は政府にバレぬよう図書館の奥深くで研究を行っていた。

オハラ(ワンピース)

細かい説明は省く(というより上手にまとめられない)が、ロビンは、幼くして会えなくなった考古学者である母親オルビアと、もう一度再会するも、オルビアは死罪となり、島は焼け野原にされる。そのなかで、幼いロビンが一人逃げ延びることになった。どうやら、世界政府にとっては、知られてはいけない歴史があり、歴史を忠実に解き明かそうとする考古学者が邪魔だったようだ。考古学者たちは、研究として、ただ純粋に知りたかっただけだったが、「知りすぎた」として消され、汚名を着せられることになる。ニコ・ロビンの過去編のなかで、母親のオルビアは、ロビンが娘だとバレると娘も狙われることになるからと、再会しても最初他人のふりをする。でも、幼いロビンは、はっと思い出し、「お母さんですよね」と泣きながら問いかけ、一生懸命勉強して考古学者になれた、歴史の本文ポーネグリフも読めるようになった、だからまた一緒にいさせて、と懇願する。このシーンも泣いた。

尾田栄一郎『ワンピース』〈41〉

尾田さんの絵のなかでは、チョッパーにしても、ルフィにしても、この幼いロビンにしても、感情が高まってぶわっと溢れ出す描写が好きだ。自分が普段あまり感情を表に出せない人間なので、余計に響く。あと、ロビンが歴史の本文ポーネグリフを読めることは、相手には知られてはいけないことで、それでも幼いロビンは、母親の気を引こうとして言ってしまう。自分にとってよくない状況に、自ら進んで行かざるを得ない一手を打ってしまう、ということの悲劇的な運命の流れの描き方もいい。人間は、外から見たら、そうしなければいいのに、と思う方向に向かって、運命的に見たら仕方なく、自ら行ってしまうようなことがあり、その描写がとても巧みだと思う。

泣くにせよ、笑うにせよ、なぜか分からないが無性に惹きつけられるというにせよ、自分の感情が素直に動かされる場面というのは、自分のことが改めて分かるヒントにもなるなと、久しぶりにワンピースを読みながら思う。特別感動するシーンでない場面としては、ルフィたちが愉快そうに宴をする光景も琴線に触れる。今は43巻で、まだ、現在出ているワンピースの最新刊までは50巻以上残っている。来年にかけて、ゆっくりと読んでいこうと思う。