音楽の世界で、レコードやカセットテープを求める動きが、アメリカでも日本でも見られるようだ。
自分自身、子供の頃に聴いていたカセットやレコードの音に懐かしさもあり、昨年末にカセットプレーヤーを購入し、今年に入ってから、レコードプレーヤーも買った。デジタル音源が全く合わないということもないし、Apple Musicも使っている。だから、今はまだそんなにがっつり入り込んでいるわけではなく、あくまで初心者として、なんとなく好きだな、という感覚が先行している。
それでも、カセットやレコードの柔らかい音質が落ち着き、好きな曲や大切な曲はこちらで聴きたい、形として持っておきたい、という心境になっている。
カセットテープとレコードで、どっちがいいか、どっちを購入するか、というのは、難しい判断で、僕もしばらく悩んだ。悩んだ末に、ひとまず、僕はカセットのほうを購入した。
僕が最初に購入したカセットプレーヤーは、ビームスで扱っていたコンパクトカセットプレーヤーの『USB Cassette Player』。見た目が可愛い。イヤフォンで聴くか、部屋で流したい場合は、スピーカーと繋いで聴く仕様になっている。
スピーカーは、とりあえず場所を取らずに、ベッドの頭の上のスペースに置けるものとして、手頃で横長のスピーカーを買った。
横長なので、インテリアとしても邪魔にならないし、この組み合わせは、決して音質がよくはないものの、その未熟さがちょうどいい。
イーサプライ サウンドバー バースピーカー EEX-SPK02
その後、しばらくして、スピーカー付きのSANYOのラジカセを、メルカリで購入した。赤いモノラルのラジカセ。音質的には、SANYOのラジカセの方がよい。ただ、古いラジカセで、中古品なので、ちょっと不安がある。
メルカリのような場所は、プロの診断が必ずしも入っているわけでもないし、どこまで整備されているのか曖昧だと、すぐに故障するリスクはあると思う。
突然、カセットテープの巻き込みが生じると、終わった、と思う(焦らず、切れないように冷静に取り外し、巻き直すと元に戻る)。
一応、概要などを参考に、しばらくは故障しないだろう、現時点では聴けるだろう、というものを選んで購入した。ちゃんとしたものを購入したい場合は、今でも発売している新品か、専門のお店で探すのが間違いないのではないかと思う。
それから、しばらくのあいだカセットを聴いていたが、やっぱりレコードも一度はほしいな、と思った。と言っても、前知識もほとんどないので、レコード初心者でも聴きやすいレコードプレーヤーを、口コミやYouTubeなどを参考に探した。
レコードは、カセットのときに買ったスピーカーとは別に、パソコン用に購入したアクティブスピーカーがあったので、そのスピーカーと繋ぎ、あとはプレーヤーだけで聴くことができた。
以下は、僕が使っていたスピーカー『Bose Companion 2 Series III』と、購入したレコードプレーヤー『オーディオテクニカ フルオートレコードプレーヤー レッド AT-LP60X RD』になる。
レコードプレーヤーは、カラーバリエーションが赤と黒とある。
audio-technica フルオートターンテーブル AT-LP60X RD
特に問題なく、美しい音色で聴ける。このレコードプレーヤーも、おしゃれで使いやすい、おすすめのプレーヤーだ。
ラジカセも、レコードプレーヤーも、決して上級者向けの機種ではないので、あくまで初心者の感覚的な判断になるものの、実際に両方を利用した結果、カセットテープとレコードでは、結局、「どっちのよさもある」としか言えないように思う。
別に、どっちかしか聴かなくなるということもなく、今も、カセットで聴きたい曲はカセットで聴くし、レコードで聴きたい曲はレコードで聴いている。
単純に音質の美しさの比較で言えば、少なくとも我が家の環境では、レコードの方が遥かによい、というのが率直な感想だ(実際に聴き比べてみるのが一番だと思う)。厚みもあるし、なめらかさもある。
カセットテープは、美しいというのとはちょっと違う。もちろん、もっとしっかりとしたカセットプレーヤーを使ったら、だいぶ綺麗な音になるとは思う。でも、そもそも単純な綺麗さとは違うよさがある。
だから、あくまで個々人の好みが大きいとは言え、どちらを先に聴きたいかという選択で悩む場合の判断基準として、たとえば、自分の好きなミュージシャンが、カセットテープも出しているかどうか、ということがある。
また、その上で、少しざらついたものが合うような曲調なら(たとえば銀杏BOYZなどは、カセットが合うように感じる)カセットが先もいいと思う。
銀杏BOYZのカセットテープ
僕が見たミュージシャンに限って言えば、日本のミュージシャンで、レコードを出しているミュージシャンは多いものの、カセットテープを出している人は、それほど多くはなかった。
そのため、カセットを買ってから、いざ好きなミュージシャンの曲を聴こうと思ってもカセットテープ版を出していない、ということは充分あり得る。
一方、レコードのある種のデメリットとしては、プレーヤーだけではなく、スピーカーや、アンプ、フォノイコライザーなど、必要なものが出てくる、ということがある。
レコードを聴くのに何が必要なの?
・レコードプレーヤー
・針(カートリッジ)
・フォノイコライザー(フォノイコ)
・アンプ
・スピーカーが必要になります。
僕が買った、先ほどのオーディオテクニカのレコードプレーヤーは、針はもちろん、フォノイコライザーも内蔵されている。
これは、初心者におすすめのレコードプレーヤーという形で紹介されているのを見かけ、外観もおしゃれだったことから選んだ。アンプも、アンプ内蔵スピーカー(アクティブスピーカー)なので、この組み合わせでレコードは聴ける。
この辺が、ちょっとややこしく、ハードルが高く感じるようなら、スピーカーなども内蔵された、一台で聴けるレコードプレーヤーとして、『ION Audioレコードプレーヤー Archive LP』や、『ION Audio ポータブルレコードプレーヤー Vinyl Motion』などもあるようだ。
レコードプレーヤーだけで聴ける、というのも魅力だし、見た目もおしゃれで、インテリアとしても馴染むので、個人的には、この『Archive LP』と最後まで悩んだ。
ION AUDIO レコードプレーヤー ARCHIVE LP
レコードは特に、色々な機具をどういう風に揃えていくか、こだわりのある人はもっとたくさん学んでいくみたいだ。
僕は、細かいことはまだ全然分からない。でも、初心者としては、カセットもレコードも、どっちも買ってよかったなと素直に思える。