君が星こそかなしけれ

ゴイステのなかで好きな曲の一つに、『夜王子と月の姫』がある。「世界の終わり来ても、僕等ははなればなれじゃない」というサビの一節を筆頭に、綺麗な歌詞の静かなバラード曲で、カラオケでもよく歌っていた。 こ…

学校Ⅳの浪人の詩

不登校で悩んでいる子供だけでなく、その親に向けてもおすすめの映画として山田洋次監督の『十五才 学校Ⅳ』という作品がある。 主人公の川島大介は、横浜に住む不登校の中学生で、学校に行く前になると腹痛がし、…

Vフォー・ヴェンデッタの名言

監視社会を描いた映画『Vフォー・ヴェンデッタ』は、2006年に公開された、アメリカ、ドイツ、イギリスの合作映画で、監督は『マトリックス』の助監督を務めたジェームズ・マクティーグ。この映画が、マクティー…

ソラニンで種田が死んだ理由

大学時代に読んで以来、好きになった漫画に『ソラニン』がある。作品の舞台は多摩川周辺で、映画版のロケ地も原作と同じく東京の和泉多摩川駅近くが使われている。あの辺りの商店街や多摩川沿いは、のんびり散歩する…

チ。のラストの感想

中世の天動説と地動説を描いた漫画『チ。―地球の運動について―』を読み終わった。つらつらとネタバレありで感想を書く。 前から面白いと話では聞いていたものの、なんとなく食わず嫌いをしていて、アニメが始まる…

坂口恭平の考える「自己否定」の捉え方

芸術家の坂口恭平さんの『生きのびるための事務』という本を読んだ。 坂口さんは、風景画が美しく、絵を描くだけでなく、音楽や、治療家のようなことも行う、広い意味での表現者、シャーマンのような存在にも思える…

ハチクロのローマイヤ先輩

羽海野チカさんの漫画『ハチミツとクローバー』が好きでよく読んでいた。 ハチクロの登場人物は、男性陣では、主人公の竹本、それから森田、真山、女性陣では、はぐみや山田など、どこか不器用な面もありながら魅力…

やぎさんゆうびんの歌詞の考察

子供の頃に耳にし、印象に残っている、しろやぎさんとくろやぎんのやり取りを歌った童謡の一節。 「しろやぎさんから おてがみついた くろやぎさんたら よまずにたべた」 この歌は、詩人のまど・みちおさんの詩…

正しいことを言うときは──(『祝婚歌』)

正しいことを言うことが、必ずしも「正しい」とは限らない。 それは、「正しさ」というものが、時代や立場によっても違うから、ということだけでなく、「正しさ」という絶対的な担保によって、他者へ向けた言葉の速…