ガラスのコップに熱湯を注いで割れた冬の朝

朝からずっと寒い。立春を過ぎても、特に春めいた様子は微塵も見られず、いっそう寒く、雪の予報も出ている。ニットを着込み、湯たんぽを足元に置き、それでも震えながら、作業をしている。しかし、これでは敵わない…

原始さんと究極薬品

原始さん 漫画家の水木しげるさんの代表作『ゲゲゲの鬼太郎』のアニメでは、1972年公開の第40話で、「原始さん」という妖怪が登場する。原始さんは、もともと水木さんがアニメ版放送以前に発表した『原始さん…

吉野弘『祝婚歌』

正しいことを言うことが、必ずしも正しいとは限らない、ということをときどき思う。 それは、「正しさ」というものが、時代や立場によっても違うから、ということだけでなく、「正しさ」という絶対的な担保によって…

家電なし生活を綴った『寂しい生活』

何のきっかけで知ったのか忘れてしまったが、そのタイトルとシンプルでゆるいイラストの組み合わせに惹かれて、最近、『寂しい生活』という本を読んだ。出版自体は、2017年と、少し前の書籍になる。 稲垣えみ子…

マキバオーの続編とその後

今は、マキバオーの続編と言っていいのか、新しいマキバオーと言うべきなのか、従来のマキバオーの新作である『たいようのマキバオー』という漫画を読んでいる。もともとが『みどりのマキバオー』で、新作が『たいよ…

「あの夏僕はさまよえる旅人」

朝目が覚めて、ふと、「あの夏僕はさまよえる旅人」という曲の冒頭の一節が蘇ってきた。 力強く、キリッとしたガールズバンド風の声で、リズムは、「あのなーつ、ぼくはー、さまよーえるたびーびとー」だ。 誰の曲…

夜の不安感と白湯とツボ

昔から、不安感に襲われることがある。特に予期不安も多かったし、寂しさ由来の不安も多い。芥川龍之介が自殺した際の遺書に書き残していたような、「ただぼんやりとした不安」ということもある。 予期不安というの…

寂しがり屋の一人好き

大学時代にmixiが流行り始めた頃、僕もmixiを始めた。誰の誘いだったかは覚えていない。いずれにせよ、これが人生で初めてブログを書く、という経験だった。あの頃は、自分のなかに日常や考えを公にして書く…

「寂しい」「必要とされたい」「死にたい」

特に正月らしい正月でもなく、諸事情もあり、一人で静かに年越しを迎えている。 もともと一人は落ち着くし、世間の動きと心の中で距離を置いていると、外の賑やかさはそれほど気にはならない。とは言え、年末からお…